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2006.09.27 (Wed)

ピアノレビュー:PETROF

ピアノ選びの際にいろんなピアノを見てきましたが、数あるヨーロッパのピアノのうち、コストパフォーマンスの優れたピアノの一つがペトロフだと思います。

ペトロフは1880年からチェコスロバキアにおいてピアノの生産を始めた歴史あるメーカーです。1894年からは輸出もスタートし、順調に生産を伸ばし、当時ウィーン王室御用達にも選ばれ、ヨーロッパピアノ博覧会においてグランプリを得ています。
ペトロフの躍進には第一次大戦でオーストリアから優れた技術者が戦災を逃れてきた、ということもあったようです。
しかし、第二次大戦後、不幸なことにチェコスロバキアは共産圏となり国営となってずいぶん質が落ちてしまいます。
1989年の旧体制の崩壊によってペトロフも民営化し、以前の栄光を取り戻すため様々な研究がなされ、今日ではヨーロッパ最大のピアノメ ーカーの一つになりました。また、最近は他の欧州メーカーからのOEM生産も行い、例えばドイツのベヒシュタイン社からホフマンブランドでのOEM生産を行っています。

実際に見てみるとピアノ自体はかなり贅沢に作られています。響板はボヘミアンスプルースを用い、ピンブロックや内外リムにはヨーロピアンビーチ材を用いています。また、ドイツレンナー製のアクションとハンマー、レスローワイヤーを使用しており、鉄骨も十分寝かせて歪みのないものを使っているようです。
さらにヨーロッパでも一般には最高機種にしか用いられない総アグラフ方式を全ての機種に採用した贅沢な設計がなされています。
これは、音1つに対して1つの弦を止める部品(アグラフ)を高音まですべての音に対して使っていて、結果、余計な共鳴を防いで音そのものも安定するという、少し手のかかる方式です。
そしてもっと驚くのが、グランドピアノのケースの圧縮加工がベーゼンドルファーと同様、響板と同じ一枚板の内側に多くの切込みを入れ、より弱い力でケースの形状に仕上げているということです。これにより響板のサウンドをボディーにも伝え、楽器全体で響きます。
また、<見た目>ですが、仕上げが非常に美しい楽器です。

私が実際にペトロフを複数弾いてみたところ、アップライトもグランドもどちらもとても柔らかい響きがします。ボディー全体が響き、柔らかく暖かい響きであるため、いつまでもその響きに包まれていたい、という感じがしました。アップライトでは115センチの高さのピアノより、やはり響板面積の広い122センチの高さの方が響きも豊かでいろんな意味で満足できそうです。グランドはアップライトに比べ、その響きが目の前から湧き出てくるような感じがしました。
これは、ヤマハのような硬質の音質に慣れている耳であれば、相当な違いを感じると思います。オーストリアのベーゼンドルファーや南ドイツのザウターに通じるところがあるような柔らかく暖かい響きです。

しかし、おそらく一般的にあまり知られていないメーカーで、私がいろいろ調べたり、実物に触れてみた経験(ちょっと大げさですが)からすると、知っている人の多くは間違った認識を持っているように感じています。
「ペトロフ」といえば、旧共産圏の楽器ということで、それが悪評として知られていたという経緯があったため、現在もそう思われているところがあるようです。しかし、この数年のペトロフの楽器は格段に向上しています。それ以前の旧体制の楽器とは全く違うと言っていいと思います。
ただ、調整の部分では多少甘いところがあるようですので、しっかりとしたヨーロッパピアノを扱い慣れた技術者さんにお願いするのがベストだと思われます。
で、お値段ですが、国産の高級機種と変わらない値段です。実売価格で100万円を切るようです。チェコの物価が他のヨーロッパと比して安いこと、輸入に中間経費が余りかかっていないこと、等があるようです。
でも、チェコもユーロに参加し、どんどんユーロが上がっているので価格も上昇し始めています。

それにしても、素晴らしい響きのする、こんなに贅沢で手のかかった、本格的な手作りのピアノがこの値段とは…。
一度、是非とも触れていただきたいピアノです。
輸入元のページをご紹介します。
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